アベキン

アベキンの強みは何といっても高い技術力での自社完全一貫生産。ここでは自社で手掛けるブランド「KUROSHIRO」のサイドワゴンを例に、その製造工程を追ってみます。

今回は企画段階から参加しました。使い勝手やサイズ感、デザイン性を考慮して3D-CADで設計図を作成し、何度か試作して大きさや重さなどを検証しました。またコストも考慮して、材料にロスが生じにくい設計にしています。
お客様からのオーダーはさまざまな形で届けられます。例えば手描きの図面だったり、イメージ図だったり。設計課ではそれらをもとに、お客様や製造現場とコミュニケーションをとりながら最適な設計図に描き起こします。

CADデータをマシンに送信して、スチール板から部品や本体をレーザーで切り出します。この製品に限らず、家具関係はキズが入らないよう注意します。わずかなキズでも美観を損なってしまうので、素材の扱いは慎重に行います。
鉄やアルミ、ステンレスなどの板を金型やレーザーで型抜きします。さらに磨いてバリ(加工の過程で発生した意図しない突起)をとり、ベンダー(プレス機)での曲げ加工までを担当します。最新鋭のレーザーファイバー複合機やレーザー加工機など、さまざまなマシンを扱っています。

今回のサイドワゴンはデザイン的にはシンプルさを追求していて、支柱と棚板はネジではなく溶接で繋げています。棚板の裏側から手作業で溶接しているのですが、支柱の丸みに沿ってキレイに仕上げるのは技術的になかなか大変な作業です。
溶接は金属を溶かして部材同士を接合する仕事です。最初はただの板やパイプだったものを、くっつけて1つの製品にしていきます。ロボット溶接やスポット溶接、手作業でのTIG溶接(電気を用いた溶接方法の一種)などがありケースによって使い分けます。

このサイドワゴンには白と黒の2モデルがあり、塗装方法も変えています。黒は通常の溶剤で美しく仕上がりますが、白はワゴンの形状的な特性のために塗装が透けてしまう部分が出る。そこで粉の塗料を静電気で製品に焼き付ける粉体塗装を選びました。
鉄やステンレスなどの金属に塗装を施す部署です。塗装の目的の一つは素材の保護。鉄は放っておくと錆びて劣化してしまいますが、塗装でそれを抑止できます。もう一つの大きな目的が美粧性で、塗装によって美しさを演出します。

塗装を終えた製品を検品し、不良品がないか確かめます。「KUROSHIRO」ブランドの製品は完全に組み上げた形でお客様に届けるスタイルなので、キャスターなど全てのパーツを取り付けて、梱包・出荷まで責任を持って担当します。
アベキンの自社一貫生産における「トリ」にあたるのが組立課です。塗装が終わった製品を検品して組み立て、梱包し出荷まで行います。お客様の手に触れる直前までを担当する、アベキンのクオリティーを支える部署でもあります。
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