訪問看護×佐渡

新潟県では、訪問看護師の育成を支援しています。
このページでは、訪問看護師育成サポート研修(※)を受講し、佐渡市で活躍の場を広げている訪問看護師を紹介します。(佐渡市のどんぐり訪問看護ステーションでは、2019年8月8日・9日に訪問看護師育成サポート研修が実施されました。)

※訪問看護師育成サポート研修とは?

教育専任看護師(訪問看護認定看護師)が新潟県内のステーションに出向き、訪問看護新任者等の育成支援を行うものです。新任者一人ひとりの状況に応じて、現地で個別実践的な育成支援を行うとともに、教育担当者及び管理者に対するコンサルテーションも実施しています。
(同研修は、新潟県が新潟県看護協会に委託し、実施しているものです。)
イメージ
教育専任看護師
(訪問看護認定看護師)
松井 美嘉子さん
INTERVIEW
佐渡を「走り」まわり、ご利用者様、ご家族へ「寄り添い」、様々な職種の方と「つながり」、看護を実践する

どんぐり訪問看護ステーション

2019年4月、佐渡市真野新町にて設立。「訪問看護は初めて」という看護師3人が力を合わせ、奮闘中!
佐渡の皆さんに、より安心して療養生活を送っていただこうと島内を走り回っています。

3人でどんぐり訪問看護ステーションを立ち上げたきっかけについて
教えてください。

中央奥が後藤さん

▶︎ 後藤さん
私は、がん性疼痛看護認定看護師として働いてきました。病院の緩和ケアチームで活動したり、外来で緩和ケアの普及に取り組んだり、様々な役割をいただきましたが、管理的な活動が多くなる一方で、「生活をしっかりと支援できる看護実践がしたい」という思いが強くなるのを感じました。そんな時に頭をよぎったのが、ある学会で出会った先生の言葉。「生活の中にこそ緩和ケアがある。」――この言葉の意味を感じるたびに、訪問看護への思いは膨らんでいきました。
服部さん、若林さんは前の職場の同僚。2人の看護観と仕事への向き合い方には、共鳴するものを感じていました。3人で語り合う中で思いが一致し、ステーションの立ち上げを決断しました。

 

訪問看護師として働くにあたって、不安だったこと、
気がかりだったことなどはありますか?

服部さん

▶︎ 服部さん
病院との環境の違いです。すぐに医師に相談できない状況であることはもちろん、デバイスが十分に備わっていない中でのアセスメントに不安を感じていました。しかし、フィジカルアセスメントをしっかり行って看護に活かすことは、病院でも在宅でも同じです。そのことに気付くと、不安は自然に消えていました。

▶︎ 若林さん
私も当初は服部さんと同じような気持ちを抱いていましたが、身につけてきたフィジカルアセスメント能力をフル活用し、時には同僚とディスカッションすることで、乗り切ってきました。実際に訪問看護の現場に立ってみると、まずは笑顔を忘れずご利用者様やご家族と向き合うことが何よりも大切だと感じます。

 

「訪問看護師育成サポート研修」についてお聞きします。
新任訪問看護師に対して教育専任看護師の松井さんから、どのような支援がありましたか?

若林さん

▶︎ 服部さん
普段、訪問の場で困っていることを相談し、アドバイスをいただけたことはありがたかったです。また、実践を客観的に評価いただき、次の実践に活かすことができたことも、大きな学びとなりました。

▶︎ 若林さん
リフレクションを通して、課題を整理できるよう支援していただきました。私も、現場で「困ったなぁ」と思う瞬間は少なくありませんが、言葉にして整理する間もなく毎日が過ぎてきました。こうした課題を言語化し、向き合う機会をいただけました。

 

教育担当者であり、管理者である後藤さんに対しては、
松井さんからどのような支援がありましたか?

▶︎ 後藤さん
ステーション立ち上げから現在に至るまでの振り返りを、松井さんと一緒に行いました。その中で、ご利用者様自身が持っている力を活かし、当たり前のことが当たり前にできるようになるための支援を実践していくことの重要性について、丁寧に解説いただきました。
また、所長としての心構えについても助言をいただきました。師長は経験しましたが、所長という立場はこれまで経験がありません。具体的なアドバイスをいただき、とても参考になりました。

訪問看護師のやりがいについて教えてください。

▶︎ 服部さん
ご利用者様の人生・生活そのものに寄り添えることです。ちょっとした工夫で症状が改善したり、苦痛が軽減したり。1人ひとりに合った、その方らしい療養生活を支えられることに、やりがいを感じます。ご利用者様やご家族から「訪問看護を入れて良かった」「家で安心して暮らせる」などと言っていただけると、その実感はさらに強くなりますね。

▶︎ 若林さん
ご利用者様の回復が見られ、生活の質が向上していく様子を実感できることです。看取りの場面では、ご利用者様とご家族が向き合う時間の中で、そっと支援できることにやりがいを感じます。「どんぐりさんが来てくれると安心する」「相談できる人がいて心強い」そんな言葉に、皆さんの生活をそばで支えるこの仕事の意義を噛みしめています。

佐渡の魅力は何ですか。
また、佐渡で訪問看護を行うことに、どんな意義を感じていますか?

▶︎ 後藤さん
佐渡の魅力は「人の温かさ」だと思っています。私たちは3人とも佐渡市出身。対人援助の原点は、この佐渡にあると思っています。人と人との繋がりの温かさが実感できるこの地で活動することにより、多くの学びを得られると感じています。

将来の目標や夢を教えてください。

▶︎ 服部さん
地元をより暮らしやすい場所にしたいと思って、現在の仕事を始めました。これからも、地域の皆さんのお役に立てる訪問看護師として、活動を続けていきます。

▶︎ 若林さん
訪問看護師としての活動はもちろん、それ以外に、猫の保護活動にも努めていきたいです。佐渡ではかつて放し飼いが多く見られ、現在は保護に対する啓発活動が進んでいます。こうした活動を通じ、佐渡をさらに安心して暮らせる場所にしていくことに貢献できればと考えています。

▶︎ 後藤さん
ご利用者様、ご家族はもちろん、ケアマネジャー、病院やクリニックの先生方・看護スタッフ、さまざまな事業所の介護スタッフ、専門職の方、行政の方、業者の方、ステーションの大家さんや郵便局の方、看護師の先輩方。本当にたくさんの方に温かいご支援をいただき、感謝しています。皆さんとの繋がりを大切に、これからも活動を続けていきたいです。

 

訪問看護師育成サポート研修の様子

〜教育専任看護師(訪問看護認定看護師)による支援内容の例〜
  新任訪問看護師の主な活動内容 教育専任看護師の主な支援内容
9:30 教育専任看護師が、訪問看護ステーションに到着、研修開始
〈教育担当者(管理者)への支援〉
9:40   新任者教育に関するコンサルテーション
〈新任看護師への支援〉
10:30 新任訪問看護師と同行訪問についての打ち合わせ
11:20 (昼食)
利用者宅へ(新任訪問看護師と同行訪問)
12:10 1件目 脳梗塞後遺症の60代男性(独居)宅
バイタルチェック、歩行・基本動作のリハビリテーション支援 今後の在宅支援について、ケアマネジャー等との連携をアドバイス
14:00 2件目 消化器系疾患で緩和ケアを要する80代女性宅
バイタルチェック、利用者及び家族から療養状況の聞き取りと助言 利用者との信頼関係構築について助言及び評価
15:30 3件目 嚥下機能が低下した90代男性宅
バイタルチェック、口腔ケア、残存機能を活かした呼吸リハビリテーション支援、家族支援 フィジカルアセスメントの助言及び実践(肋間筋・首・肩回りのストレッチ等)
16:50 振り返り
17:30 訪問看護ステーションの訪問看護師全員とカンファレンス
  事例についてのコンサルテーション
18:00 研修修了
 
訪問看護師育成サポート研修
〜新潟県では新任訪問看護師の育成支援をすすめています〜

※画像クリックでPDFが開きます

TOP