マルミショクヒン
卵加工品の専門メーカー「まる味食品」が目指す超一流とは?
“やわらかいゆで卵”では全国トップクラスのシェア!
「まる味食品」は卵を専門とした食品メーカー。なかでも、ラーメンなどによく使われるとろ~りとした“やわらかいゆで卵”を得意とし、その分野では全国トップクラスのシェアを誇ります。「目指すはナンバーワン、そして“超一流”です」という同社の強みはどこにあるのでしょうか。
そこで、まる味食品のオフィスを突撃! おいしさと安全にこだわる製造職、大手取引先と多くの商談を成立させてきた営業職の先輩社員に、この仕事の面白みについて聞きました。さらに、働きやすい環境を支える取り組みについてもインタビュー。魅力、ザクザク出てきましたよ!
先輩社員
佐々木 佑子さん
「実は当社で一番元気で明るいのが社長。『よお!』と声をかけられるとみんな笑顔になります。そのおかげか、職場の人間関係は良好でとても和やかなんですよ」
3つの強みで、卵業界の“富士山”を目指す!
まる味食品には3つの強みがあります。まず1つ目は、“やわらかいゆで卵”の第一人者であり、それを大量生産できる体制が整っていることです。2つ目は全国的な販売網。大手運送会社とのパイプにより、地方都市のハンデを軽々と超え、広く商品を提供しています。養鶏場とのつながりも強く、東日本大震災の際も途切れることなく原料を調達し、商品を出荷できたというから驚きです。
そして3つ目は、有名スーパーマーケットや外食チェーンなど、取引先が大手に集中している点。それは、品質の良い商品を安定供給できることへの信頼の証でしょう。
卵のプロである同社が目指すのは、今を上回る超一流。「日本一高い山は富士山ですが、二番目を答えられる人は少ない。目指すならやはりナンバーワンです」とは社長の言葉。そして、あくまでこだわり続けているのは「おいしさ」と、家族に食べてほしいと思えるような「安全性」です。その想いこそ、まる味食品のコアなんですね。
やわらかいゆで卵の大量生産ではパイオニアというまる味食品。新潟の企業が全国展開のラーメン店やファミリーレストランのメニューを彩っていたとは驚きです!
営業が語る、コロナ禍でも業績安定の理由
早速、先輩社員にお話を聞きましょう。まずは佐藤さん、営業職の仕事とは?
「全国の飲食店やスーパーマーケットに当社の商品を紹介しています。でも“足で稼ぐ営業”とは少し違うかもしれません。取引先はほぼ決まったところで、こちらからの売り込みやノルマは一切ないからです」。
パックの卵はなぜ尖ったほうが下向きか、殻のむきやすさに違いがあるのはどうしてかなど、商談の際の話題も豊富。あらゆる“卵情報”を伝え、お客様が納得のうえで成約につながったときに「よし!」と喜びを感じるという佐藤さん。それも卵のプロとして圧倒的な知識量があってこそ、ですよね。
取引先には、全国展開のラーメン店やファミリーレストラン、さらに大手スーパーマーケットなど名だたる顔ぶれが。「主力はずっと業務用商品で、スーパーマーケットとの取引が始まったのは最近ですが、コロナ禍でも巣ごもり需要で売上は伸びました。それが多業態に向けて展開する強み。複数の柱でバランスをはかりながら、今後も新たな可能性を広げたいですね」。
大手企業との取引を担当しているため、関東への出張も多いという佐藤さん。頼もしい卵のプロフェッショナル!
実はスーパーマーケットとの取引には慎重姿勢だったとのこと。コロナ禍前に取引を開始し、巣ごもり需要で同社の売上もアップ! 経営戦略力、スゴイです。
安全・安心な商品を送り出す現場から
続いて製造部門から、工場長の神田さんと、入社5年目の土屋さんの登場です。
「原料の選定を担当。入荷した卵のデータに基づいて各商品に適したものを選別する、一番はじめの工程です」(土屋さん)。
「従業員が安全に作業できる環境を整え、安全・安心な製品をつくるために品質や生産数などを徹底管理。もちろん、人材育成も大切な仕事です」(神田さん)。
土屋さんがこだわるのは歩留まり。製品に対してベストの卵を選び、歩留まり率(原料に対する生産割合)が高いほど“いい仕事”になるからです。「それによって全工程がスムーズになり、作業短縮にも貢献できます」と笑顔で話してくれました。
一方、「スーパーマーケットで当社の製品を購入する人を見るとうれしくて」という神田さんは、工場長の視点で未来をこう語ります。「ゆでた卵を冷水に移す作業が今は人力なんです。そういったアナログな部分をロボット化すれば、非力な人や年配者も働く場がもっと広がるはず。ITの強化こそ今後のカギですね」。
工場長の神田さん(左)と土屋さん(右)。土屋さんは、普段何気なく食べていたゆで卵に様々な固さの商品があると説明会で聞いて同社に興味を持ったとのこと。今では商品製造の重要部門を担っています!
配慮が行き届いた、働きやすい職場のハナシ
従業員一人ひとりに合った働きやすさを考えてくれるのも同社の特長。さらに業績が良ければプラス部分を賞与で還元するなど、「事業でも給与でもナンバーワン」を目指す風土が貫かれています。
以前、営業アシスタントを務めていた佐々木さんは、産休育休を経て復帰し、今は事務職&人事担当として活躍しています。「育休中も会社から『元気ですか』『待ってるからね』との連絡が。その気遣いと戻る場所があることのありがたさを感じました。勤務時間が流動的な営業職から内勤になったのも会社からの配慮です」。あとに続く後輩の良い前例となることもきっと、佐々木さんが描く「若手がより力を発揮できる会社」への第一歩なんですね。
「復帰当初は時短勤務で感覚を戻しながらフルタイムへ移行しました。新入社員も環境の激変を避け、最初の1年間はGW、お盆、年末年始に有給休暇が取得できるようにするなど、社員に合わせた環境を築いてくれるので安心ですよ」とは心強いかぎりです。
「どうぞ!」とゆで卵を試食させてくれた佐々木さん。お、おいしい!! 商談の際、実際にお客様に試食してもらいながら営業活動を行うこともあるそうです。
同社ならではの強みを最大に発揮しながら、新潟から全国へ。ニッチを突いた事業展開や安定した業績とともに注目してほしいのが、社長のユニークなキャラクターです。かつて超大手企業で活躍していた社長は、毎朝5時に工場で行う卵の殻むきから1日の仕事をスタートします。従業員から「社長」ではなく名字で呼ばれる人気者でありながら、その仕事観にはぐっと人を惹きつける力が! そこに宿る信念こそ、同社を支える確かな基盤であるように思いました。