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ガス栓トップメーカーが手掛ける新事業とは?

事業領域の拡大を目指して、多様な新事業にチャレンジ

光陽産業は、ガス栓においてシェア率40%を誇る国内トップメーカー。社会インフラと密接に関わる製品だからこそ、「品質第一のモノづくり」をテーマに、暮らしの安心と安全を根本から支えています。

製造・販売・開発の各分野で高評価を得る同社ですが、なかでも長年に渡るガス栓・バルブの技術開発力を生かして「事業領域の拡大」にも積極的に取り組んでいます。ここでは、ガス栓とガス機器を接続するガスコードをはじめ、これまでに形になったいくつかの新事業、そして同社ならではの強みや今後のビジョンについて聞きました。

光陽産業マスコットキャラクター

「ガス栓くん」

「国内トップシェアを誇るガス栓だけではなく、その技術力を応用して他分野へも積極的に挑戦しています」

貴社の事業と強みを教えてください。

ガス栓メーカーとして、都市ガス用・プロパンガス用でそれぞれ40%の国内トップシェアを獲得。そこで得た技術とノウハウを他ジャンルにも生かし、暮らしや社会の安全を支えるモノづくりに取り組んでいます。

また製造・販売・開発の各分野でもリーディングメーカーであることを自負しています。

製造分野では、厳密な品質管理はもちろん、製品に必要な設備や検査機などを自社製作し、IoTを活用した自動化により高い効率化を目指しています。販売分野では、家庭用ガス関連部材において他社の追随を許さない製品ラインナップを誇り、そこから派生した独自の製品も高評価を得ています。そして開発分野でも、お客様の要求に応えた安全性・施工性等の独自の技術を提案することで多くの信頼と評価をいただいています。

それらをもとに、お客様のニーズに合わせた様々な新事業を展開しているのも当社の特徴。未知の分野へのチャレンジは、とても面白いですよ。

  • 「機器接続ガス栓」ガス機器(給湯器・ビルトインコンロ)に使用されるガス栓。主力商品の一つです。

  • 左:「組立機」自動化・省力化のための装置を自社の技術スタッフが製造。自社での使用はもちろん、販売も行っています。
    右:「検査機」ガスのことを知り尽くした同社が、各種検査機器や試験装置などを自社製造しています。

新事業として開発した製品と、それにまつわるエピソードを教えてください。

代表的な製品を3つ紹介しましょう。一つ目は“ガス栓”と、炊飯器やガスファンヒーターなどの“ガス機器”をつなぐ「ガスコード」。ホースと継手がセットになった製品です。二つ目は、オフィスや工場などの空調設備用の室外機と室内機をつなぐ「アルミ冷媒配管用の継手」です。飛躍的な施工性の向上を安価で実現しました。そして三つ目は、麻酔や透析、点滴などに使うチューブと注射器をつなぐ「医療用コネクタ」。割れや漏れ、固着などの問題を解決しています。

「ガスコード」は、元々、ガス栓接続側にはI型・L型の2種類があり、当社の開発力で「自在型」1種類に統合した経緯があります。また、安全性をさらに向上させるため、大手ガス事業者3社の要望で万が一メインシールに異物が付着しても補助シールでガス漏れを防止する「多重シール」構造を提案し採用されました。JIS規格寸法形状内に補助シールを組み込む設計に苦労し、開発には4年かかりました。家庭の保安をより確かなものにする意義あるモノづくりです。

  • 「ガスコード」

  • ガス栓と炊飯器やガスファンヒーターなどのガス機器をつなぐホースと継手がセットになった製品です。

「アルミ冷媒配管用継手」と「医療用コネクタ」についてはどうでしょう。

「アルミ冷媒配管用継手」の開発では、新しい加工メーカーを探したり、これまでにない試験を行ったりと、初めてのことが重なって苦心しました。その度に多くの協力を得ながら少しずつ実現へ。未知の領域へと踏み込む不安もありましたが、展示会で製品を見たお客様の「これいいね!」というお褒めの言葉や、施工現場で使用しての好意的な感想など、生の声が日々の励みとなっています。今後はより効果的なPR活動が課題ですね。

「医療用コネクタ」については、そもそも医療機器が全くの異分野だったため、最初は聞き慣れない言葉ばかりで理解が進まず、さらに独特の使い方があることで仕様にも苦労しました。でも、なんとか医療現場の困りごとを解決したいという思いから、当社の強みである「自由な発想力」と「具現化する力」を発揮。仕上がったサンプルを見たときの医療従事者や医療機器メーカーの好反応は、大きな喜びと達成感につながりました。当社の技術が少しずつ業界内に広まっているのを感じています。

  • 医療用コネクタは、医療現場で使用される様々な医療機器に対して「安心」「安全」「確実」を提供するコネクタです。

  • アルミナジョイントは、安価かつ飛躍的な施工性の向上を実現した、空調設備用の室外機と室内機をつなぐアルミ冷媒配管用継手。脱炭素社会に向けた新技術を採用しています。

今後はどのような展開を描いていますか。

長年にわたり、当社は社会インフラを支える製品の開発・製造・販売に努めてきました。なかでも、基幹事業である家庭用ガス関連のバルブや継手などの部材は、豊富な経験や技術の蓄積によって、日本全国はもとより東アジアを中心とした海外のお客様にも広く支持されています。

人口減少やエネルギーの多様化、さらにカーボンニュートラル達成に向けた取り組みも本格化するなど、社会は大きく変化しています。それらに対応するために必要なのは「高度な技術力」と「事業領域の拡大」でしょう。当社が目指すそれは、今ある技術を周辺分野に応用し、新たな価値を生み出すこと。既存事業の拡大はもちろん、同時に他分野への進出をはかり事業を多様化することで新しい技術を手にし、それによる相乗効果を得ることです。

現在の売上高は80億円。今後は事業領域の拡大により「売上高100億円企業を目指す! —— 真の中堅企業へ向けて—— 」という長期ビジョンを掲げ達成に向け事業を展開しています。

長きにわたり業界のトップメーカーとして君臨する同社。確かな技術を生かした多様な新事業への取り組みに、ぜひ注目を。

また、働く環境が整っていることも同社の大きな魅力です。年間休日は県内企業のなかでもトップクラスの127.5日。有給休暇の取得率も70%と、こちらも県平均を大きく上回っています。さらに職場はコミュニケーションも活発で和やかな雰囲気。気兼ねなく仕事に打ち込むことのできる好環境で、次なる新分野へと挑むワクワク感を味わってみませんか。

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