にいがた就職応援団ナビ2025

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精密鋳造技術で航空宇宙産業にも貢献するエンジニア集団!

エネルギー、航空機、ロボットなど多分野で活躍する“技術開発型企業”です。

設立30年の若いメーカーながら、「エネルギー」「航空機」「IT」「食品」「医療」の5分野に注力し、目覚ましい成長を遂げてきたハヤカワロストワックス。「精密鋳造」の技術をもとに大手企業と直接取り引きし、地元長岡から世界へと活躍の場を広げています。

さらに金属基複合材料の精密鋳造技術を確立し、他社にはないパフォーマンスで信頼を勝ち得ていく姿は頼もしいかぎり! 早速同社を直撃し、事業の特徴やものづくりの醍醐味、今後のビジョン、そして社員がイキイキと働く職場の魅力について、自らもエンジニア出身の内堀社長に聞いてきました。

代表取締役社長

内堀 博さん

自らもエンジニア出身の内堀社長。「今後は今まで培ってきた技術とノウハウを生かして新たなことにも挑戦していきたいですね」。

国内では稀少なロストワックス製法で5分野に注力!

まずはここから。内堀社長、“ロストワックス”って何でしょう。「精密な鋳物をつくる製造方法の一つです。起源はメソポタミア文明のころと言われ、宝飾品や工業用品などに広く用いられてきました」。

お客様からの図面をもとに金型を仕上げ、そこにワックス(ろう)を注入してワックス模型をつくる。耐火材をコーティングしてセラミックスの鋳型にしたら、加熱して鋳型内のワックスを溶かして取り出し、そこに金属を流し込んで鋳造する。これがロストワックス製法。複雑で肉薄な形状や、高精度を求められる製品にもしっかりと応えられるのが特徴です。

この製法で同社が生産しているのは、発電所のガスタービンや航空機のエンジン、スマホや各種端末のプリント基板製造装置、医療用ロボットなど、多様なものづくりに欠かせない部品の数々。「エネルギー」「航空機」「IT」「食品」「医療」の5分野に注力し、大手企業と直接取り引きしながら世界へと、スケール感のある事業を展開しています。

  • 新しいものづくりへ挑戦を続ける熱い内堀社長。同社の誇るべき技術、エンジニアとしての醍醐味など、興味深い話をたくさん聞かせてくれました。

  • 金型で製作した部品形状にワックス(ろう)を流し入れて模型を作り、その模型を耐火材でコーティングした後、加熱してワックスを溶かします(脱ろう)。これを鋳型として、溶かした金属を流し込み鋳造する製法のことを「ロストワックス製法」と言います。

世界のトップ企業にも認められた特許技術とは?

エンジニア魂と飽くなき探究心により、常に技術の向上や新たなチャレンジに取り組んでいる同社。金属基複合材料(MMC=金属×セラミック)の精密加工もその一つです。これは、例えばアルミニウムにセラミックの粒子を混ぜることで硬度を上げ、“アルミの軽さで鉄の強さ”を実現する独自の特許技術です。「加工代(加工しろ)0.5mmと最終形状に近い鋳物に仕上がるため、後工程が少なくて済むことなどが高く評価され、各方面で重宝されています。お客様の期待を超えるものづくり。それを信条として技術を磨いています」。

身近なスマホから電力インフラまで、多分野に携わるからこそ景気変動の影響を受けにくく、それは同社の安定基盤の構築にもつながっています。「航空機やエネルギー関連の事業は、世界のトップ企業からの安定的な受注がこの先も決まっています。今後はさらに、培ってきた技術とノウハウを生かして新たなことにも挑戦していきたいですね」と内堀社長。何やら楽しみなビジョンを描いているようです。

  • 世界のトップ企業からの安定的な受注がある、エネルギー・航空機分野。

  • 外科手術用器具などにステンレス鋳造品が使用されています。日々進化する医療分野へも、同社の技術力と提案力で貢献しています。

サステナブルな企業活動にも注目を!

「特許技術を手にしたことで、『こんな金属で精密鋳造品をつくってほしい』との依頼が増えてきました。脱炭素の動きに伴い新たなガスタービンの開発が進むなか、タフな環境下でも使用できる特殊金属部品の必要性が高まるのは必至。そこにコミットできる点は、大きな強みとなるでしょう」と内堀社長。独自の技術により、今後広がりを増すであろう分野にもしっかり対応、貢献できるのは、より深い信頼感につながりそうですね。

また同社は、SDGsへの取り組み事例も豊富。製造現場ではワックスをはじめとする様々な材料をリサイクルしているほか、照明はほぼLED化、環境ISOの認証を取得してサステナブルな社会の実現を目指しています。「私自身も森林インストラクターの資格を持ち、以前は森林保全活動を行っていました。実は金属と森って関係が深いんですよ。ゆくゆくは“HLC(ハヤカワロストワックス)の森”をつくることが理想ですね」。

「長く働いてほしいから」と、より良い環境づくりにも積極的

社員の平均年齢は38歳と若く、女性の割合も比較的高い同社。「長く働いてほしい」との思いから、取得率100%の育児休業をはじめ、短時間勤務、介護休業などの制度を整え、様々なライフイベントを経てもキャリアを継続できるよう配慮しています。

入社から3カ月間は各部署をローテーションしながらOJT研修を行い、仕事の流れと全体像を理解します。配属先で必要な資格については、取得に関わる費用を会社が全面サポート。社内外の研修も充実しており、月に数回は内堀社長が講師になっての勉強会も開かれています。「精密鋳造に関する業界の動向や製造工程、検査など、毎回テーマを決めてカリキュラムを組んでいます。この仕事は学びの連続。常に知識を更新し、エンジニアとしての力を蓄えることが大切です」。

またQCサークル活動も盛んで、そこから生まれた改善活動が全国大会で表彰を受けたことも。より良い環境づくりへの参画意識が芽生える風土も、同社の魅力の一つです。

  • 新入社員教育、職長教育、幹部教育など、階層ごとに充実した社員教育を実施。新入社員は入社後3ヵ月間各部署で研修、実際の現場を体験した上で配属を行うなど、狭い視野にとらわれるのではなく、長期的な視野にもとづいて、丁寧な社員教育を行っています。

  • 月に数回、内堀社長自らが講師となり勉強会を開催。エンジニア出身の社長自身が考えたカリキュラムで実施。毎回大勢の社員が参加しています。

エンジニア出身の内堀社長は、ものづくりへの意欲をもとに挑戦を続ける熱い人。業界の動向や同社の誇るべき技術、エンジニアとしての醍醐味など、興味深い話をたくさん聞かせてくれました。「発電所のタービンや航空機部品といっても私たちの生活からは遠すぎてなかなかイメージしづらい。ゆくゆくはキャンプ用品や日用品など、最終製品に近いものづくりにもトライできたら」というビジョンの実現もそう遠くはなさそうです。

エリートぞろいの大手企業の担当者とタッグを組み、ともに成長できる環境も同社ならでは。学びのチャンスが豊富なので、意欲次第で着実に成長できることでしょう!

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