ニイガタゾウセン
多種多様な船舶を世に送り出す、壮大なスケールの仕事に迫る!
海で働く人々の熱意と気概を「カタチ」で支える!新しい船の建造から修繕まで担う造船会社
1905年(明治38年)、前身である新潟鐵工所が木造船の建造を開始して以来、多様な船舶の建造に携わってきた新潟造船。これまで1,300隻以上もの建造実績を誇り、時代や顧客の要望に合わせた独自の船造りを100年以上にわたって行ってきました。今回は新潟造船の事業内容、先輩社員2名には仕事のやりがいや魅力、職場環境についてもお聞きしました!
船という巨大なものを扱っているだけあって、敷地内の設備はなにもかもが迫力満点! 普段はなかなか足を踏み入れることができない、新潟造船の内部をご紹介していきます!
100年もの歴史と技術を誇る、メイドイン新潟の船舶製造企業
新潟造船では、100〜7,500トン規模の中小型船舶の建造、修繕をはじめ、さまざまな用途で利用される船の建造に取り組んでいます。業務管理部 人事グループ長の谷内田さんに、新潟造船の歴史についてお話をお聞きしました。
「当社は漁船から調査船、作業船、実習船など多種多様な船舶の建造と船舶検査に長年携わってきました。新しく造られる船のおよそ6割以上が遠洋漁業向けの漁船であり、安全面、機能面を重視した船造りを行うことで、海で働く方々や日本の漁業を支えてきました。2022年には常石グループの一員となり、これまでの技術力をさらに磨いていく次第です」。
なるほど。新しく船を造るだけでなく、船の修繕やメンテナンスも行っているのですよね?
「はい、もちろん行っていますよ。当社の事業の柱として、新しく船を設計、建造する「新造船」、当社や他社で手掛けた船の修繕や定期的な点検を行う「修繕船」の二つがあります。メンテナンスは車の車検のような役割と思ってもらうといいかもしれませんね。新造船ではこれまで1,300隻以上もの船の建造を行い、修繕船に関しては年間20隻以上を手掛けています」。
さまざまな顧客の信頼に応える技術力が新潟造船の強みです。
建造から数十年が経過した船舶が、十分な性能を発揮して安全に運行できるように作業を行います。
長年の実績と技術力で築き上げるオーダーメイドの船造り
「新潟造船」が企業の強みとして挙げているのが「オーダーメイド」。オーダーメイドの船造りって一体どんなことなのでしょうか?これも谷内田さんにお聞きしました。
「船といっても用途や規模で、一つ一つ作りが異なります。例えば、漁船は規模としては大きくはありませんが、船を操縦するという他に、魚を捕まえる、水揚げする、船上で保管するという機能や、天候に大きく左右されることなく漁が行える性能、スピードなども必要になりますよね。これを船主さんの感覚や希望を反映しながら作り上げていきますが、当社の場合は設計担当がお客様のもとへ出向いて、直接話をしながら要望や仕様を決めて内容を詰めていきます。さまざまな漁船の建造に関わったからこそ、オーダーメイドの新造船に対応できるというわけです」。
まさに、漁師さんや船主さん一人一人の思いを船という「カタチ」にしているのですね。最後に、今後の展望、学生さんへのメッセージもお聞かせください!
「設計や建造に関わった船が、日本中の海で活躍し、世の中の役に立つという醍醐味を味わえる仕事です。また、近年は国の主導により、洋上風力発電受けの事業も行っています。巨大モノづくりに携わりたいという方、大歓迎です!」
巨大な船もいわばさまざまな金属部品の塊。工場内にはあらゆる部品を加工できる設備が集約されています。
熟練の職人による加工、メンテナンス等の修繕工事など、長年培われた技術があらゆる場所で生かされています。
新潟造船で働く魅力その①小さな頃からの夢だった船の設計を仕事に!
それではここで、設計部計画設計課の白井さんにインタビュー! 入社のきっかけと現在の仕事内容を教えてください。
「小さい頃から乗り物が好きで、小学生の時『ふじ丸』という客船に乗って旅行をしたのを機に船に興味を持ちました。自分で模型を作るくらい船が好きになり、大学で船を造ることを学んだことから、船舶の設計に関われる当社に入社しました。現在は主に漁船のスピードや復原性など、船の性能設計に携わっています」。
仕事のやりがいはどんなところにありますか?
「船が完成すると海上で試運転を行うのですが、自分が携わった船が海の上を自力走行する瞬間はワクワクします。また、入社してからこれまで10隻以上の設計に関わりましたが、一から設計して多くの人で造り上げた船がお客様のもとへ旅立つ時は本当に感慨深いです」。
静岡県出身の白井さん。新潟での暮らし、先輩や上司との関係はいかがですか?
「新潟は冬の寒さが厳しいですが、時に先輩方に飲みに連れて行ってもらい、楽しい時間を過ごしています。計画設計課は車や航空機、電車、F-1などなど、乗り物マニアがとても多いんです。趣味の話で盛り上がれる先輩や上司に恵まれています」。
根っからの船好きでもある白井さん。今後は造船技術士の資格取得を目指しているそう。
分からないことをすぐに確認できる雰囲気も、働きやすさに繋がっています。
新潟造船で働く魅力その②船舶修理に関する見積もりから工事完了まで一貫して対応!
続いて、営業部の馬場さんに、営業のお仕事についてお聞きします!
「官公庁船をはじめ、漁船や作業船などの修繕船工事の見積もり、工程や内容の打ち合わせなどなど、営業担当としてお客様と直接やりとりをさせていただいています。他にも入港前の事前準備から入港時の準備、工期中の対応、完工後の出港準備などさまざまな仕事を担当しています」。
馬場さんは大学で経営を学んできたそうですね! 船舶は異業種だと思いますが、船舶の専門知識は、どのように学んでいきましたか?
「新人研修などの研修でも船舶の基礎知識は学びますが、本格的な知識は仕事の経験を積むことで自然と身に付いていきます。私の場合は実際の製造現場に何度も足を運び、作業の補助を行うことで船舶の部位や役割、機能などを覚えていきました。“営業で現場に何回も来る人はいないよ”と現場のスタッフに言われました(笑)。ですが、工事や施工に関する知識があるだけでお客様からの信頼度は格段にアップしますし、自分の提案や説明に関しても自信を持って行えるようになると思います!」
社内の雰囲気はいかがですか?
「部署内の先輩や上司とは仕事の話はもちろん、時に冗談を言い合ったりと可愛がってもらっています(笑)。部署が異なる先輩とも仕事で関わることで一緒に飲みに出かけたり、サッカー観戦に行ったこともありました。来る人は拒まない明るい性格の方ばかりで、会社全体で居心地がいいですよ」。
社内外で活発にコミュニケーションを行い、周囲との関係構築を図っているといいます。
現場に出向き、技術員から積極的に情報収集を行うなど、常に学ぶ姿勢を大事にしているという馬場さん。
「ドライドック」や「船台」といった船専門の設備、修繕のために格納されている作業船、建造中の新しい船と、そのスケールの大きさ、工場の広さに圧倒されました。年数をかけて大きな姿形となり旅立っていく新造船を、社員の皆さんは我が子のような気持ちで見送るのだとか。
新潟造船の一番の魅力は、船の設計から組み立て、建造まで、一貫して行えること。新入社員研修やその後の社内研修でも、一連の仕事の流れを学びながら実務に役立てていくそうです。部門ごとのスペシャリストである先輩方に教わりながら、知識とスキルをじっくり身に付けていける環境といえるでしょう。また社員同士も仲が良く、終始笑顔の絶えない職場環境でした。
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