ニッコウ
新潟市南区にある「株式会社 日功」は、この地域で盛んな石油燃焼機器(ファンヒーター)などを始め、様々な製品の金属プレス加工や組み立て加工、プレス金型設計などを行っています。今回は、大学時代に金属加工の奥深さに魅せられ、入社後もプレス加工の分野に携わる阿部さんに、業務内容や仕事のエピソードを語ってもらいました!
プレス加工とは簡単に言えば機械に金型を取り付けて、鉄などの材料を置きプレスする事で、安く早く大量に同一な品物を作る作業です。当社はファンヒーターなどのパーツを作っていますので、もしこの技術がなかったら日本中の人が寒くて仕方ない(笑)。そんな仕事です。
これまでは鉄の塊に穴を開けたり削ったりして、プレス機に取り付ける金型を作るのが仕事でした。今後はその金型の設計も任せてもらえるよう勉強中です。
発注元の仕様書に沿い、そのパーツを効率よくプレスできるようにする金型の設計は、実は容易ではありません。鉄板にたくさんの穴を開けるだけの一見単純な作業でも、一回のプレスで穴を開けてしまえば穴同士の間がちぎれてしまうこともある。「穴を開ける」だけでも、何回かに分けた金型が必要になるのです。
入社前は、高校時代に学んだ機械の知識を活かせると思っていたのですが、いざ現場に立つと何もできませんでした。機械の用途は学んできたものの、メーカーが違えば電源の位置も分からない。金型作りに使う図面も、学んできたものとはレベルが違い、最初はさっぱり理解できませんでした。
機械の操作自体はすぐにできるようになりましたが、マシニングセンタ(自動的に金属の加工を行う機械)に打ち込む数値の設定などの知識は不足していると感じます。先輩たちが口をそろえるように、トライアンドエラーで経験を積むしかない。図面に関しても、過去の製品の仕様書と実物を見比べて、頭のなかで図面を考えられるようにトレーニングしています。
この仕事は同じものをいくつも作る単純作業ではないため苦労はしますが、その分、型ができた時の達成感はひとしおです。
2017年から金型グループのリーダーとなり、本格的に金型設計を学んでいます。定年退職した職人さんにノウハウを教えてもらい、技と知識を吸収しているところです。ゆくゆくは、年下の後輩たちにも教わったものをしっかりと伝えていきたいと思っています。
ただ、自分もまだまだ勉強中。色々な経験を積みながら一人前の設計者を目指したいです。そして次の世代に技術を継承して、金型プレスの「日功」の名を引き継いでいきたいですね。
マシニング加工時、ドリルの回転数を計算するのに必要なのがこの関数電卓。入社後に購入した人生2台目のものですが、5年間の使用で「+」、「−」、「0」、「小数点」のキーがすり減って判別不能になってしまいました。もちろん、自分ではどのキーが何かは把握していますよ。関数電卓は公式を丸ごと入力できるので、マニシングなど計算式で機械に打ち込む数値を導くような現場では、欠かすことのできない大切なアイテムです。
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