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にいがた就職応援団ナビ2023

社長インタビュー

空気・水・エネルギーをコントロール。たくさんの笑顔と暮らしを支える縁の下の力持ちとして、震災復興でも社会に大きく貢献しています。代表取締役社長 田中 弼
建物に「魂」を入れ、快適空間を創出
御社の事業内容について教えてください。

 空調や給排水、電気・ガスなど、人が暮らしを営む上で不可欠な設備の工事を生業としている会社です。ユニットバスやシステムキッチン、エアコンなど、人々の日常生活を便利にする住宅機器やLPGの販売も行っており、一般住宅から大型公共施設まで、あらゆる建造物の“快適空間”を生み出してきました。
 また、メンテナンスの専門部署を設け、アフターケアを充実。こうした日頃の活動がお客様との信頼関係を築き、今日の県内設備業者屈指の工事高につながっていると自負しています。
 これからは新たに建造するのではなく今あるものを活用するストックの時代と考え、マンションやオフィスビルのリニューアル事業にも力を入れています。近年は環境への配慮や省エネが求められていますが、こうした時代の流れを予測し、早くから太陽ソーラー発電など自然エネルギーの活用やESCO事業にも取り組んできました。ESCO事業とは、建物を診断し、省エネルギーや経費削減を実現するための包括的なサービスを提供する事業のこと。現在この事業は当社の商い高中10%程度の販売高ですが、今後この比率を高めていけるように準備を進めています。

この仕事の魅力はどんなところでしょうか?

 設備の仕事は縁の下の力持ち。見えないところで快適空間を守っていますから、学生になかなか興味を持ってもらえないのが残念です。建物を人体に例えるなら、ダクトや配管などの設備は神経や血管。人間が生きるためになくてはならないものです。外が寒くても建物の中が暖かいのは設備があればこそ。私たちの仕事は、建物に「魂」を入れているのだと思います。
 人が千差万別であるように建物も千差万別。基本的に同一のものはありませんから、お客様のニーズやスタイルに応じてどのように快適空間を実現するか、そこには自分のこだわりやアイデアを生かせる、自分の裁量で工夫することができる面白さがあります。だから完成した設備には、設計者や技術者の思いがたくさん詰まっているものです。
 自分の一生懸命が、誰かに喜ばれる、安心感を与えられる。そして社会の役に立っている実感を得られる。そんな生きがいと働きがいのある有意義な仕事だと思います。

御社の強みは何だと思いますか?

 社員約180名ですが、一級施工管理技士が50名以上と技術者の数が抜きん出て多い会社です。これは社内で資格取得を奨励し、技術者を育て上げてきた結果。その誇れる人材力で、設計施工管理からメンテナンスまで一貫したサービスを提供できるところが当社の強みといえるでしょう。
 当社では今も100円のパッキン修繕工事からビッグスワンなど数億円の設備工事まで請け負っています。住宅関連のみ、大型設備工事のみ扱う事業者が多い中、両方の技術とノウハウが蓄積されているというのは全国でも稀です。こうした総合力と、人材という機動力があるからこそ、突然の災害時にも迅速に動くことができるのです。

東日本大震災の仮設住宅を施工されたそうですね。

 大きな被害の出た東日本大震災では、3,500戸の仮設住宅の給排水空調設備を施工しました。被災地以外の事業者としては日本一の件数を誇れると思います。これは当社が屋内配管のみならず周辺インフラ整備も総合的に行うことができるから可能なことなのです。
 当社では困っている人たちのために一刻も早く仮設住宅をと、地震発生直後の3月12日には会議を開き、迅速に対応。仮設住宅5,000戸の請負準備をし、社員の半数を被災地での復興活動に動員しました。とはいえ、通常業務はそのままあるわけですから、その時期は全社員がいつもの2倍頑張って働いてくれました。社是の「人にしあわせを贈ろう」という思いが、社員にしっかりと根付いていたようです。

復興への使命感が、事業拡大・技術開発の礎に
将来のビジョンを教えてください。

 被災地やそこで暮らす方々と結ばれたご縁が、今、当社の成長を後押ししてくれています。東北では仮設住宅の施工後も、お客様が困らないようにと支店を開設。アフターケアを通じ、我々に対する期待の高さを感じました。こうして復興の担い手としての使命感を一層高めた当社は、熊本の震災や豪雨災害に際しても迷わず現地へ。日夜、復旧作業に励みました。
 被災地にいち早く駆けつけた社員は、自ら現地入りを志願した有志者。これには私自身も心を打たれましたね。「1日も早く日常生活を取り戻して欲しい。それを実現できるのは自分たちしかいないんだ。」その思いが1人ひとりを突き動かしていました。
 献身的に作業を続ける社員の熱意が被災地の皆さんに伝わり、その後も現地で仕事をいただくことが増えました。これが結果的に、当社の事業拡大を加速化。かつて県内の設備工事で55億円ほどの売上だった当社は、首都圏・東北圏での事業を伸ばし、2019年9月期には92億円を達成。その後を大成長の基盤創りの期間として、新たに名古屋圏・九州圏を含む5つの圏域で事業を展開し、売上250億円を目指しています。

新たな挑戦も考えているそうですね。

 まだまだ被災地は、瓦礫の山の撤去や農地除染など問題が山積みです。でもバイオを研究している知り合いの大学教授から、瓦礫を固めて海に沈めると藻が発生し、そこに魚が集まり、海洋牧場をつくることができるという話を聞き、素晴らしいと思いました。それなら農地の除染もバイオ技術と融合することで良い方法が見つかるのではと、新しい目標ができたのです。津波にしても、堤防をいくら造っても乗り越えられてしまうなら、遥か彼方の震源地に近い海で津波を減衰すればいい。そう発想し、既にいくつかのアイデアを研究機関に提案しています。もちろん実現までには、時間も費用もかかるでしょう。でも人間は思ったことは必ずできる、そう信じていますから、このような防災技術開発も積極的に手がけていきたいと考えています。
 これから設備の世界は、ますます独自の技術で競い合うことになるでしょう。だから新技術の開発に、より踏み込んでいくことが大切。それが将来、きっとお客様の、社会のお役に立てると思うのです。

夢が広がりますね。他に計画していることは?

 夢の実現のためにも、会社そのものを改革しようと考えています。「企業は人」です。だから良い人材が集まるように、若い人が楽しい、面白いと思える会社にしていきたいです。そのためには古いルールをつくり変えなければ。そう考え、私は定期的に社員5・6人とディナーチャットを行っています。美味しいものを食べながら、どうすればいいのか、どうしたいのか、提案してもらう。全社員に話を聞くまで続けるつもりです。
 社内改革として具体的に考えているのが、初任給30万円。数年後の実現を目指していますが、これが現実になれば、初任給が日本一高い会社になります。なぜ初任給をと思われるかもしれませんが、ナカムラでは入社した以上その給料分思いきり働いてもらうつもりだからです。他社が考えるように、10年経ってやっと一人前では遅すぎます。新入社員を手取り足取り過保護に育てるのではなく、自ら考えて動ける環境づくりを行い、1年で一人前に育て上げます。

求めているのは、人と対峙できる「人間力」
御社が求める人物像について教えてください。

 設備の現場は、様々な事業者と絡み合いながら仕事を進めなければなりません。だから予定していた手順が狂ったり、二度手間になったりすることがよくあります。自分の仕事をスムーズに進めるために無理を通さなければならないこともあるでしょう。だからこの仕事は学校の成績よりも、いかに人とうまくやれるか、対峙できるかが重要。知識よりも「人間力」が大切です。学歴にはこだわりません。文系理系は関係ありません。やりたい気持ちがあるなら、文系でも技術職にチャレンジすればいい。全面的にバックアップします。
 当社が望む新卒社員の資質は、自分はこれだと誇れるものを一つ持っていること。生意気だったり、やんちゃでもいい。絶対にあきらめない根性がある「ゴリガン」な人です。

「ゴリガン」とはどういう意味ですか?

 昔、植木等の映画に出てきた言葉なんですが、一言でいうなら、できないことをやってしまう、可能にしてしまう人。大きな目標を持ち、その達成に向けて取り組める人のこと。つまり当社に必要なのは、目標達成の過程で困難があってもあきらめず行動できる前向きな姿勢、そして面倒事から逃げずに立ち向かう根性です。
 私は、現在当社でやっていることを完全だとは思っていません。ある意味、間違いだらけだと思っています。だから自分がこの会社の歴史を変えてやろうという高い志のある人、将来必ずこの会社のトップに立つという意欲のある人を求めています。

学生へのメッセージをお願いします。

 「やりたい!」と思ったことをチャレンジさせる風土でしょう。上司がダメと言ってしまえば、そこで動きが止まってしまいます。まずは意見を取り入れて、やらせてみて、うまくいかない場合は「なぜ間違えたのか」を考えてもらえれば、その経験は必ず次へつながります。前向きに挑戦する気持ちがあれば、年齢に関係なく、やりがいのある仕事を任せるのが当社の強みだと思っています。

最後に、将来の展望をお聞かせください。

 最近は環境や省エネに関する技術革新が進んでいますから、設備業界において、技術者は経験よりもいかに新技術を取得しているかが重要視されています。これまでの実績に胡坐をかいているだけでは時代についていけないのです。大切なのは、常に仕事の中身に疑問を持ち、より良くするにはどうしたらいいか追求し続ける姿勢。新しいことを学ぶことが面白いと感じられれば、きっと成長も早いはず。若い人こそ活躍のチャンスがある業界だと思います。
 当社の社是「人にしあわせを贈ろう」「働く事に感謝しよう」「みんなで力を合わせよう」に共感し、それを実践できる人を待っています。一緒に夢の実現に努力し、チャレンジしましょう。

取材を終えて…

 ナカムラが東日本大震災に迅速な対応ができた背景には、過去の中越地震・中越沖地震での経験が生かされているからだそうです。また創業当時燃料販売業だった同社が設備工事に着手したのは、昭和39年の新潟地震がきっかけだったとお聞きしました。困っている人を助けたい、社会に貢献したいという精神が、まさに今日のナカムラをつくりあげたといえるでしょう。
 しかし社会貢献と口でいうのは簡単ですが、一朝一夕にできることではありません。実際、東日本大震災の仮設住宅の施工に際しては、社員の皆さんはいつもの2倍頑張って働いたそうです。「人にしあわせを贈ろう」ということは、それだけの覚悟と努力が必要だということ。それを理解した上で、ナカムラの大きな懐に飛び込んでください。大きなやりがいが待っています。

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