リケンセイコウ
仕入れた材料を機械で引き伸ばす工程です。最も細いもので直径5mmのスチールワイヤーを、ダイスという円錐状の穴に通して直径を絞り込みます。一気に形を変えると硬くなり折れやすくなるため、負担をかけないよう数回に分けて加工します。
鉄は形を変えるときに発熱する性質を持っています。そのときに組織が歪み、表面が硬くなってしまうため、それを元に戻さなくてはなりません。そこで、バッチ式のSTC炉で「焼鈍」という熱処理を行い、歪んだ組織を整えます。
熱処理をすると錆びやすくなるため、塩酸で洗浄し、真水で洗い流した上で皮膜を施し、仕上げにボイラーで乾燥させます。例えるなら、シャンプー、すすぎ、トリートメント、ドライヤーといった洗髪の一連と同様のイメージ。全て自動化されているので、作業者は薬品の管理とオペレーションを行います。
主力製品である高炭素クロム軸受鋼(SUJ2)の生産量は国内トップクラス。クルマのタイヤ回りや扇風機など、機械の回転する部分に欠かせないパーツである「ベアリング」となって、世の中に役立っています。
柄と刃の部分になる棒状の材料を「摩擦圧接」という方法で溶接。それを切断して丸く削り、旋盤を使って製品に近い寸法まで削り出していきます。その後、穴開けの際に切りくずがスムーズに逃げるよう、らせん状に溝をつくる「溝切」を行います。
鉄鋼とは異なり、硬くするための熱処理を行います。真空状態をつくり、1200度の高温で焼き入れした後、マイナス70度で焼き戻しを行い、硬くするとともに錆びも防止します。
表面に酸化皮膜をつけて切粉の溶着を防ぐ「ホモ処理」を施した後、円筒研削を行います。研削盤を操り、柄の部分を削って寸法を出し、刃の先端を切り出していきます。
「RIKENと言えばドリル」との評判高い、当社の代表的な製品「テーパーシャンクドリル」は国内トップクラスのシェアを誇ります。一般用から産業用まで、形もサイズも様々なドリルを製造していますが、大きなものは橋梁や航空機の外板を貼る際などに使われています。
お客様との打ち合わせで要望をヒアリングし、それをもとに図面を作成します。機械全体の設計図だけでなく、そこに用いられる「部品図」、それらを一つの機械に組み上げるための「組立図」を用意します。
部品図をもとに、市場品で間に合うものは購入、そうでないものは協力会社に発注して部品を調達します。そして組立図に沿ってそれらを組み立てた後、電気の配線を行うことで機械に機能を加えます。
機械の動きを確認。それをクリアしたら、お客様から材料をもらって実際の製品を加工してみます。精度がちゃんと出ればOK。さらにお客様に立ち会ってもらい、了承を得てから出荷へ。
若手技能者が技術を競い合う「技能全国五輪」において、精密機械組立という種目で使われる3つの機械のうち、「精密旋盤」「万能フライス盤」を当社が提供しています(写真は技能全国五輪の様子。出場各社が実際に使用している理研製鋼の工作機械が並んでいます)。また工具部の製造ラインでも、当事業部の製品が使われています。
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