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応援団ルポ

SDGsにも貢献!苦労と感動“ストパネ工法”プロジェクトストーリー

持続可能な社会に不可欠な新工法を開発!

水倉組は土木、建築、舗装などを手がける総合建設会社。「地域に信頼される企業」を目指す工事のプロフェッショナルです。歴史ある同社には、業界でも画期的な工法を開発した輝かしい実績が。産学官の連携によって生まれたそれが、今や全国に展開されている「ストパネ工法」です。

老朽化した農業用排水路を修復するこの新技術。立役者となったのは、これを機に母校の新潟大学で博士号まで取得した技術営業部長の小林さんでした。その開発ストーリーを追うとともに、現場の施工を担った佐藤さんにもインタビュー。技術者ならではの醍醐味に迫ります!

お話を聞いた

営業本部・技術営業部長小林さん(左)

土木部・主任佐藤さん(右)

「小林さんは雲の上の人」と佐藤さん。そして小林さんは「施工に関しては、彼をはじめとする現場の人たちに任せておけば安心。信頼しています」とニッコリ。

「水倉組ならではの強みを!」が始まり

まずは、開発責任者を務めた小林さんに聞きました。そもそも「ストパネ工法」って何ですか?「農業用排水路を長寿命化させる工法です。古くなった鉄板の水路にコンクリート材を取り付けて補強し、表面を軽量のパネルで覆うやり方です。そうすることで耐用年数は2倍になるんですよ」。

農業県の新潟には2,700kmもの農業用排水路が巡っています。そのほとんどが高度成長期に整備されたもので、老朽化の一途をたどるばかり。とはいえ、補修するにも多大な予算がかかります。「そこで、劣化を防ぎ、しかもコストを抑えた工法を編み出して当社の強みにしようと考えました」と小林さん。それが開発の始まりでした。

さて、編み出した工法が公共工事に採用されるには、その効果など様々なことを科学的に実証しなくてはなりません。でも、この分野の先行研究はほとんどなく、当初はまさに手探り状態。それを打破するため、同社は産学官連携の共同研究に乗り出しました。そして開発プロジェクトは大きく動き出したのです。

  • 〈ストパネ工法Before〉鉄板が劣化した農業用排水路、錆が目立ちます。農業用施設としてだけではなく、地域の洪水被害軽減などの役割も担います。災害対策としても補修は急務!

  • 〈ストパネ工法After!〉錆びていた鉄板部分にコンクリート材と軽量パネルを取り付け補強。コストは抑えられて耐用年数は2倍に! 見た目も美しくなる画期的な工法です。

熱量をもって取り組んだ研究開発、成功!

水倉組、資材メーカーの藤村クレスト、新潟大学がタッグを組んだ共同開発は、農林水産省の「官民連携新技術研究開発事業」に採択され、さらに規模を増して前進します。研究に費やした期間は3年。成果を得たのは開発着手から実に5年後のことでした。

その過程で、なんと小林さんは母校でもある新潟大学で博士号を取得! 研究者として常に高みを目指す姿勢には頭が下がります。「もう一度同じことをやれと言われたら絶対できません(笑)。通常の業務をこなしながら、学会での成果発表や論文執筆に明け暮れる毎日。多忙を極めましたが、それが実を結んだときはとてもうれしく思いました」。

同時に「新しい工法を生むことの大変さを改めて知った」とも。「マニュアルが完成して各方面に認められると、似たような工法が後追いで出てくるんです。しかも価格を下げるから値崩れも起きるし大変でした」。でも、そこで威力を発揮したのが公的機関によって証明された科学的な裏付け。地道な研究によってもたらされた”信頼”こそ支えとなり、ストパネ工法は広く普及していきました。

  • ストパネ工法は新潟のほか愛知や北海道、石川、秋田、三重など日本全国に広まっているとのこと。小林さんは各地へ出向き、普及活動や工法のレクチャーを行うこともあるそうです!

  • 公共事業分野で新しい工法が使われるには裏付けや証明が重要。産学官の連携による実証試験でそれを確立し、「信頼できる工法」として広い普及につながっています。

大きな達成感を得た、ストパネ工法への初挑戦

続いて、ストパネ工法現場の施工管理を行った佐藤さんにインタビュー。「当時はストパネ工法の知識がなく資料を読み込むことからスタート。当社開発の工法を経験できる良い機会なので、しっかり学んで今後に生かそうと思いました」。

担当したのは延長20mほどの農業用排水路。補修ではなく新設工事で、しかも予定外だったストパネ工法を途中から取り入れることになったため、現場での設計変更が必要に。「矢板を打ち、そこにパネルを当てていくのがストパネ工法。でも水路の幅は決まっているので、それをうまく収めることに苦心しました」と当時を振り返ります。そんなとき力になってくれたのは経験豊かな作業員たち。話し合いから続々とアイデアが生まれたことで、コミュニケーションの大切さを実感したと佐藤さんは言います。「完成した水路には美しいコンクリートパネルが一面に張られ、とてもキレイでインパクトがありました。大きな達成感とともに、末長く元気に機能してほしいと願ったのを覚えています」。

  • 入社当初から土木部所属の佐藤さん。ストパネ工法の工事で「話して仕事をする」ことがいかに大切か気づき、その後の佐藤さんの仕事のスタイルにも良い影響を与えたそうです!

  • 佐藤さんが担当した工事のBefore→After! キレイな壁一面へ生まれ変わりました。数々の工事を経た今でも、佐藤さんはこのときの迫力を覚えているそうです。

“造る”から“直す”へ。それはまさにSDGs

平成23年から開発がスタートしたストパネ工法は高く評価され、たくさんの栄誉ある賞を受けました。また数々の実証試験を繰り返し、よりスムーズな施工や高性能・高品質を実現。今では北海道をはじめ全国に普及し、施工面積は3万5,000㎡以上、金額にして8億円以上の実績を築いています!

壊して造る時代から、直して生かす時代へ。それを具現化するストパネ工法は、まさにSDGsの理念と目標に合致するもの。同社は自社のノウハウを生かしながら「農業への貢献」「働きやすい、働きがいのある職場づくり」「地域・社会・環境保全への貢献」などへの取り組みを深化させています。

また最近では、山間部のため池を守る新工法の研究もスタート。「地震や豪雨の際の大量出水による被害をくい止め、地域の安全と農業の安定を支えられたら」と開発を進めています。このビッグプロジェクトも、ストパネ工法で培った実績があればこそ。研究者、そして技術者の誇りは、輝かしい未来と地続きです。

  • ストパネ工法により農業用排水路が長寿命化することで、農業の生産性と持続性の確保につながります。ほかにも、水倉組はSDGsの12のゴール目標達成に向けて様々な取り組みを行っています。

  • 新潟に根差した水倉組だからこそ開発できた新工法が同社ならではの強みに。この新たな工法が全国に広がる今、次世代を担う同社の技術者たちも、自社を誇れるポイントになっているようです!

新工法の確立に貢献し、さらに博士号の取得まで。偉業を成し遂げた人でありながら、普段の小林さんは飾り気がなくとても朗らか。開発時の様々なエピソードは、どれも面白みにあふれています。「研究開発に5年、その工法を採用してもらうための売り込みにも数年を要しました」と小林さん。根気のいる取り組みですが、技術が完成し認められ、広く普及することが研究開発者のやりがいなのだと実感しました。そんな挑戦を後押しし、業界全体を活気づけてきた同社。次なるビッグプロジェクトの実現にも期待が募ります。

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