その特徴は、東日本大震災の時にも遺憾なく発揮された。仮設住宅の工事に関して、いち早く依頼を受けたのだ。「住宅関連のスタッフをスムーズに大勢集めて、現地で指揮することができるため、真っ先に声をかけてもらいました。被災地の役に立てて、誇りに思います」。新潟中越地震、中越沖地震時の実績を買われ、災害発生時には同社に依頼が来ることも多い。一方で、ただ実績があるというだけでは意味がないと町谷は語る。「基本はお客さまとまじめに向き合うこと。当社が特に大切にしていることです」。
ナカムラが考えるもうひとつの特徴が、「成長する意欲に溢れていること」。年々縮小傾向にある建設業界にありながら、同社は2019年9月期には92億円を達成。2020年度にはさらなる目標を掲げている。さらに2016年からの5年間は大成長の基盤創りとして、これまでの新潟圏、首都圏、東北圏から、名古屋圏、九州圏を増やした5つの圏域で事業を展開し、売上250億円を目指すなど、その視線はさらなる高みを見ている。「私が入社したのは40年以上前ですが、自分と会社が一緒に成長してきたように思います」。
意欲的な取り組みにも注目だ。2013年に「技術研究所」を設立。独自の技術を確立させるための先行投資にも余念がない。「ようやくここまで来ることができた」と所長を兼任する町谷は、笑顔を見せる。現在はエネルギーや漏水関連の研究を進めている最中だ。「自分で何かをやってみたい・提案してみたいと考える人にとってはおもしろい会社だと思います。新しいアイデアは、そういったチャレンジ精神から生まれてくるのです」。