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残業ゼロで生産性アップ! 県内企業をリードする働き方改革の先駆者

代表取締役社長

坂田 匠

  • 残業ゼロ
  • イクメン企業アワード
  • 全国グランプリ
  • ホワイト企業アワード
サカタ製作所と言えば、工場や倉庫など非住宅の金属折板屋根を支える各種部品において、国内販売トップシェアを誇るマーケットリーダー。同時に、いち早く働き方改革に取り組み、確かな実績を築いてきたリーディングカンパニーとしても注目を集めています。2014(平成26)年には、働き方の本質を問う一大テーマ「残業ゼロ」を掲げ、長時間労働の削減と生産性の向上を同時に実現しました。坂田匠社長は、働く現場の悪しき慣習を抜本的に見直し、社員、会社、そして社会の幸せを見据えて企業の可能性を追求する変革のリーダー。その徹底した取り組みに迫ります。
サカタの改革は1992年スタート
いち早く、働き方を問う風土を醸成
働き方改革導入の経緯や背景について教えてください。

坂田:1992年、県内の製造業で初となる完全週休二日制の導入をはじめ、早い時期から男女ともに働きやすい職場づくりに取り組み、ハッピーパートナー企業にも認定されました。年間休日は122日。年末年始やゴールデンウィーク、お盆、慶弔、年次有給休暇のほかに、社員それぞれが自由に設定できる記念日休暇を設けるなど、メリハリをもってイキイキと働くことができるよう配慮しています。
ワークライフバランスの充実は、当社が以前から大事にしていること。ほかにも、社員のご家族向けの会社見学会を毎年開催し、家族が普段どのような職場で働いているのかを見ていただいたり、お子さんが仕事を疑似体験できるようなミニゲームを行ったりしています。それらは全て、社員が自発的に企画して実施しているもの。実に様々な取り組みがあり、私も驚いてしまうほどです(笑)。

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社員の創意工夫と努力が実った
「残業ゼロ」実現への道
そして注目は、やはり2014年に宣言された「残業ゼロ」への取り組みですが。

坂田:「残業ゼロ」への挑戦には大きな覚悟が必要でした。実は当初、翌年の経営方針として「残業20%削減」を目標に掲げようと事前に行われた取締役会で決めており、2014年末の全社員が集まるイベントでそれを発表するつもりだったんです。ところがイベント当日、社員のリクエストで招いた講師、株式会社ワーク・ライフバランスの小室淑恵代表の講演を聞いて気持ちが変わったんです。女性にもっと活躍してもらうための方法や、残業をすることの愚かさなどについて改めて考えさせられていたところ、小室さんが「でもサカタさんは残業ゼロなんて実現できませんよね」と。それを挑戦と感じ取った私は、その瞬間に立ち上がり、独断で「残業ゼロを目指そう!」と全社員に宣言したんです。取締役会での決定事項をあっさり覆したわけですから、社員だけではなく他の取締役全員の目が点になってしまって(笑)。
そもそも、20%削減ならば個々の工夫や心がけで何とかできるだろうけれど、ゼロという極端なことをやるには、これまでの常識をガラリと変えるくらいの抜本的な改革をしなくてはならないと思っていました。そこにタイミング良く小室さんからの挑発が加わったものだから、これは改革のチャンスかもしれない!と決意したんです。
なぜ、残業ゼロか。その先に何があるのか。何より大事なその部分を提示するのが社長である私の役割だと思っています。

それは何でしょう。

坂田:残業ゼロの狙いは、優れた働き手の確保です。少子高齢化と、それに伴う労働人口の減少はもはや避けられません。本来、バリバリ働いて活躍できる人材が、育児や介護など、何らかの事情で職場を離れなくてはならないとしたら、それを解消して長く働くことができるような体制に会社が変えていくべきです。例えば、毎日決まった時間に帰宅できれば、その後の時間を育児や介護、地域活動などに有効活用できますよね。家族も、パートナーの帰宅時間が一定することで日中のスケジュールを立てやすくなり、自らの仕事や社会活動に参加できる時間が安定して確保できるでしょう。働ける時間が限られている人でも安定的に働くことができる仕組みづくりが少子高齢化に耐えうる社会構造の実現につながると私は考えます。つまり長時間労働を削減することは、社員、会社、地域、そして社会全体にとって良いことだらけの取り組みなんですよ。

具体的にはどのようなことを実施されたのですか。

坂田:部署ごとに、それぞれの仕事に合ったやり方で推進していったようです。例えば、週に一度の勉強会を開いて知識を共有化し、担当者しか対応できない業務をなくしたり、製造現場では様々な生産設備を扱うことのできる多能工の育成に注力したり。残業ゼロの達成に当たって、業務の効率化は欠かせません。私は残業ゼロを宣言するだけで、実現に向けて様々な工夫や取り組みを行ったのは社員たち。真摯に取り組んでくれた彼らには感謝しかありません。

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月平均残業時間0.93時間を達成!
多数の受賞歴が物語るサカタの功績
どのような成果が出ていますか。

坂田:2017年の社員の月平均残業時間は0.93時間を達成しました。今や夕方5時半になると、社員たちがそろって会社を後にする光景が当たり前になっています。残業が大幅に削減された分、社員たちの頑張りを讃えて残業代以上の金額を賞与として還元しました。
このような成果を得るために、一切の妥協を認めず「残業ゼロが全てに優先する」という姿勢を貫きました。それによって売上が落ちる、利益が減る、納期に間に合わない、お客様からの信用を失う、取引がなくなる、といった懸念を口にする社員もいましたが、それでも良いと明確に宣言し、惰性で残業するような逃げ道をなくしたんです。徹底した取り組みにより、一人ひとりの時間のとらえ方が変わり、限られた労働時間の中でいかに成果を上げるかを考えるようになりました。その積み重ねが会社全体の生産性向上につながっています。

そのほかの取り組みについてはいかがでしょう。

坂田:2017年の有給休暇取得率は61.73%、平均取得日数は10.94日と、新潟県の平均(42.2%、6.8日)をかなり上回っています。当社はもともと休日数が多いうえ、休日出勤に対する代休や記念日休暇などの休みも充実しているため、これ以上有休まで取る必要がないと話す社員もいて、有休取得率の向上には逆にネックになってしまっています(笑)。
また昨年の男性社員の育児休業取得率は50%を達成し、今年は100%に迫る勢い。大手企業のような大胆な施策ではありませんが、社員の実態に配慮したきめ細やかな対応が評価され、厚生労働省主催の「イクメン企業アワード両立支援部門」でグランプリを受賞しました。よく言われるような、男性が育休を取りづらいという風潮は、おそらく時代のハードルでしょう。週休二日制、女性の社会進出、結婚や出産を経ても仕事を続けることなどがそうであったように、男性の育休取得もいずれスタンダードになる。近い将来、それは極めて自然なことであるという世の中になるはずです。
ほかにも「ホワイト企業アワード」の2部門を受賞するなど、社会的に多くの評価を得ています。またお客様から「サカタ製作所は社員に優しく働きやすい会社ですね」と褒めていただくことも増え、大変うれしく思っています。もちろん採用面にも効果があり、募集に関する問い合わせもぐっと増えました。

今後の方向性やプランについて教えてください。

坂田:少子高齢化が進む日本において、労働者の確保は、企業の存続に大きく関わる課題です。育児や介護で時間に制約のある人でも就業できる仕組みと労働環境を整えることは重要な経営戦略と言えるでしょう。当社は今後、テレワークや週3日勤務といった多様な働き方についても検討していく考えです。
長年、当社は過酷な工事現場で働く作業者の負担を軽減する製品づくりに取り組んできました。作業する方の負担軽減は、作業時間の削減になり、そして働き方改革へとつながります。私たちは社会に貢献する企業として、「高齢化社会と労働人口の減少」という問題に対し覚悟をもって挑みたいと考えています。

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社員の方に聞きました
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阿賀野工場

佐久間 貴士さん
(2015年入社)

当社への転職の決め手は「残業ゼロ」でした。前職は働く時間や休みが一定ではなく、3人の子どもと過ごす時間も少なかったのですが、当社に入ってからはそれが一変。毎日同じ時間に帰宅するので、家族みんなで夕食をとることができるようになりました。共働きの私たちにとって、妻が食事の支度をしている間に私が子どもの宿題を見るなど、育児を無理なく分担できるのは大きなメリット。1時間単位で有給休暇を取得できるため、子どもの学校行事にも積極的に参加しています。

仕事においても、時間の概念がガラリと変わりました。「間に合わなければ残業すればいい」ではなく「時間内に終わらせる!」という意識で臨むため、考えることや工夫することが自然と増え、それが作業効率アップにつながっています。また効率化の一環である多能工への取り組みは、自分自身のスキルアップはもちろん、互いに助け合うチームワークにも好影響を及ぼしているようです。

今後も、子どもの成長にしっかりと寄り添いながら、自分自身もより役立つ人材へと成長していきたいですね。

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