にいがた就職応援団ナビ2019

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日本のあらゆるモノづくりを支えるプロフェッショナルな現場

「RIKENのドリル」だけじゃない。製造業の根っ子を造る企業とは?

モノづくりのためのモノをつくるプロ集団、理研製鋼に潜入!

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特殊鋼・切削工具・工作機械の製造プロフェッショナルとして、豊富なノウハウと高品質の製品開発力を備えた「理研製鋼」。ベアリング用鋼線をはじめとする特殊鋼を生産する「鉄鋼部」、切削工具(ドリル)を製造する「工具部」、精密機械の設計・製造を手掛ける「工作機械部」の3部門で構成されています。旧理化学研究所の工作機械製造工場としてスタートした長岡センターと、1935年創業の柿崎工場が2大拠点。今回は柿崎工場長の丸山さんに話を聞きながら、2つの工場を覗いてきます!

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一人前の技術者になるための基礎を学べる研修制度。

専門性の高い業界なので、入社後、どんなことをするのかが気になるところ。でも安心してください! こちらは研修制度などサポート体制がバッチリ整っています。さっそく、研修について詳しくお話を聞いてみましょう。

「当社は名古屋に本社を置く大同特殊鋼株式会社と業務提携を結んでいます。まずはそこで1カ月程、全グループ企業の新入社員を対象とした研修に参加。社会人としての基礎を学びます」。チームワークが試されるカリキュラムなどもあり、基礎とはいいながらも現場ですぐに活かせるプログラムが用意されているそうです。

「続いて、当社の長岡センターで2カ月程、先輩社員からモノづくりの基本をじっくり教わります。測定の基礎から図面の見方や書き方、製品加工までひと通り学び、最後は学んだことを活かして課題制作を行ってもらいます」。「課題制作」とは完成品を参考に、それと同じものをゼロから作ること。理研製鋼ではこれを「プチ技能五輪」と呼び、優秀者には表彰もあるそうです!

その後、先輩社員が組んだカリキュラムに沿いながら、3つの部門全ての業務を現場で学びます。約1年間の研修を通して各工程の仕事を経験した後に、配属部署が決定。さすがプロの職場。モノづくりはまず、人を育てることから始まるのですね!

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特殊鋼・切削工具をつくる柿崎工場へ!

柿崎工場は、特殊鋼・切削工具が2本柱。どちらも他に類のない製品を生み出す、日本の製造業になくてはならない存在です。

「理研」といえば「RIKENのドリル」。戦前には独自に溶解炉も備え、自社で一貫生産を行っていたそうです。現在は加工の難しい「ツイストドリル」の加工に特化し、中でも「テーパーシャンクドリル」は日本でもトップクラスのシェア。海外でも高い人気を博しています。

特殊鋼は、主にベアリング用鋼線をつくっています。完成品置き場には巨大なスチールワイヤーの束がピカピカと輝いていました。ベアリングは自動車の足回りなど、機械が回転する部分には欠かすことのできない重要なパーツ。大同特殊鋼から納品されたスチールワイヤーを、指定の太さにまで引き延ばすのですが、もし表面にキズがあればベアリング自体の不具合に直結します。柿崎工場では独自のノウハウで1/100mmレベルのキズを全長(太さ2mmに伸ばした場合、長さは3000mほど!)に渡ってチェック。きれいに仕上げた完成品は「キズ保証」を付けてベアリングメーカーに納品します。

柿崎工場で使われている機械は、長岡センターでつくられる自社製品がほとんど。現場の声を反映した、理研製鋼のノウハウが詰まった専用機。なんだかカッコイイですね!

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若手の技能を競うオリンピックの採用機を製造。

続いて長岡センターへ潜入! ところで、皆さんは「技能五輪」というものを知っていますか? 日本を代表するモノづくり企業20社以上の若手技能者が技能レベルを競う全国大会です。各都道府県から選抜された23歳以下の若者たちが集結する、まさに技能者のオリンピック!

実は理研製鋼はこの大会に使われる「採用機」を30年以上に渡り提供しています。「精密機械組み立て」という競技に使われる3つの機械のうち、精密旋盤、万能工具フライス盤がそれで、1/1000mm単位の技術が競われます。

万能工具フライス盤は昭和30年代につくられた機械。 「今は製造されていないのですが、この機械は『人を育てる』機械といわれています。使い勝手が良くて精度が高い、そしてスタンダードな機械なので使う人の技能の差が出やすいんです」。抵抗が直接手に伝わり、いわゆる作業の「勘所」をこの機械で感じられるそうです。理研製鋼では新人研修の場でも、この精密旋盤、万能工具フライス盤などを使い、身体で仕事を学びます。

優れた技術者たちが使う「技能五輪」の採用機で技能を習得できるなんてスゴイ!

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技術伝承に力を注ぐ理研製鋼のこれから。

最後に、理研製鋼の将来について話を伺いました。

「当社の売上比は特殊鋼がおよそ65%、切削が15%、工作機械が10%です。現在は主力のベアリング素材を生産すべく、工場は毎日フル稼働で動いています。このベアリングは車の足回りやエンジン、トランスミッションに使われることが多く、車1台で150~180個のベアリングが使われるといわれています。最先端の製品の内側ではたらくパーツはどんどん『小型化・軽量化』が進んでいます。逆の視点から捉えると、パーツが進化しているから新たな製品が生まれるのです。これからも、より品質向上に努めていきたいですね」。

品質の向上を目指すとともに、エンジンからEV(電気自動車)へという新たな流れの中で、EV化した段階でベアリングがどうなるか。また、加工に関連する切削はどうなるか。新分野への足がかりも探っているそうです。

新たな挑戦が楽しみですね!

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IPPO君の独り言

上越市柿崎区と長岡市の生産拠点で「モノづくり」を通して日本の主要産業を支える同社。一つひとつの製品に向けるアイディアと情熱と時間。そしてそれを実現するためのノウハウの積み重ね。モノづくりの現場は、数々の知恵と工夫で成り立つ世界。ゼロからモノをつくる現場は、クリエイティビティな「工房」です。数値と経験に裏付けられた、プロフェッショナルな現場でした!

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