にいがた就職応援団ナビ2019

IPPO君がゆく!応援団ルポ
私たちの身の回りにあるあらゆるモノを形づくる「金型」を製造

国内・海外の技術者が注目する金型メーカー

ピーアールシーの優れた加工技術とそのこだわりをルポ!

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国内における「バリレス金型」のトップランナーとして、自動車や通信機器、宇宙航空機、医療、精密機器部品など国内外のメーカーから依頼が絶えない「ピーアールシー」。「バリ」とは、金型で成形した成形品の金型の合わせ目部分にできる不要な突起物のこと。つまり「バリレス金型」とは、バリのできない技術を活かした金型のことです。今回は、高い加工技術を武器に、世界のモノづくりを支えているピーアールシーへ。1993年に同社を立ち上げた伊藤社長にお話を聞きながら、新潟市北区にある工場に潜入します!

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世界のトップメーカーも求めるピーアールシーの金型。

「料理が趣味」という伊藤社長。モノをつくり上げるという意味では金型づくりも共通する部分があり、熱い思いを持って取り組んでおられます。まずは「金型」とはそもそも何かを、教えていただきましょう。

「金型とは、モノを大量生産するためのツールの1つです。たい焼きの機械を想像してもらえば早いかな。あの機械が、いわゆる金型です。私たちの暮らしに関わるものは、実はほとんどが金型からできているんです。例えば車なら、およそ2万〜3万点の部品が金型でつくられています」。

車だけでなく、私たちの暮らしのあらゆるシーンで活躍する、金属やゴム、プラスチック製品など、ほとんどのモノが金型でつくられているのです!

中でもピーアールシーが得意とするのが、原材料に「液状シリコーン」を使う金型。「シリコーンは加工性・耐熱性・耐候性(紫外線による劣化が少ない)、耐薬品性が高く、焼いても有害なガスが出ません。これらの特性を活かして、自動車や医療器具などに幅広く使われていますが、この金型づくりが大変難しいのです」。

お話を聞いて驚いたことに、日本でこの技術を持つのは数社のみだそう。国内のみならず、台湾、タイ、オーストラリア、アメリカなど世界のトップメーカーからもオーダーを受ける理由が分かった気がします。

では、その秘密を探りに工場へ潜入します!

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工場の温度まで徹底管理。モノづくりに妥協なし!

工場に入ってまず感じたのはその清潔さ。金属を加工する現場ですから、鉄粉や油は目に見えない細かい粒子となって飛び交っているはず。けれど床がべたつくようなこともなく、クリーン!

「それはスタッフ一人ひとりが心掛けているからです。私が掃除を強制したことはありません。ただ、工場の照明を明るくしました。そうすることでゴミが目に付くようになります。目に付けば、自然と掃除をしようとするでしょう。油は作業をする上で付いてはいけないケースが多々あります。クリーンな環境は製品の品質にも反映されるのです」。

工場の温度は暑い夏も寒い冬も、24度前後(±1度)に保たれているのだとか。これは温度変化による鉄の膨張を、一定範囲に抑えるためだそう。ズラリと並んだ金型をつくる工作機械は各メーカーの最新鋭機。古くなったものは随時更新するなど、常に高い加工精度を追求する姿勢がトップメーカーたるゆえんでしょうか。

次は、このトップメーカーをけん引する伊藤社長が開発した「バリレス金型」について、お話をお聞きします。

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日本に先駆けて導入した「バリレス金型」の開発秘話。

伊藤社長が「バリレス金型」に出会ったのは今からおよそ30年前。まだ金型メーカーに勤めていた頃、オーストラリアで目にしたバリレス金型がきっかけでした。バリのない見事な成型品が次々と金型から出てきます。

「これだ!と思いましたね。日本はまだまだ技術が遅れていた。独立するにあたって、絶対バリレスでいこうと思いました。人と同じことはやりたくありません。頭の中は常に『液状シリコーンのバリレス金型をつくってやろう!』という思いばかり。けれどいくらやってもうまくいきませんでした。オーストラリアの金型を分解して構造を学んだり、試行錯誤を繰り返しました」。

液状シリコーンは常温ではドロリとしたノリのような物質。それに熱を加えると、弾力性のあるゴム状の物質に変化します。この性質が成形上のネックになりました。金型に注ぎこむゲートの部分が、金型の熱によって硬化したシリコーンでふさがってしまうのです。単に金型をつくるだけにとどまらず、加工プロセス全体をコントロールしないとバリレスは不可能なのです。

「ですから、当社は製造工場顔負けの高性能な成形機を導入しています。金型の納品前には自社で実際に成形性を確認。お客さまが金型を使用する適切な成形条件をはじきだし、納品時にはそれも合わせてお渡しします」。

プラスチックを加工する場合、一般的に金型の隙間が20ミクロン以上で「バリ」が出ます。「液状シリコーンではそれがわずか2ミクロン。そもそも、バリは出て当たり前のものです。通常は成形の工程に手作業のバリ取りも組みこまれています。しかし当社はそのバリが出ない『バリレス金型』がウリ。それだけに使う機械まで全てにおいて緻密さが要求されるのです」。

妥協を許さない品質追求と技術開発でお客様の信頼を得ているのですね!

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ピーアールシーの金型を世界が求めるホントのワケ

バリレス金型のメリットは、そのままズバリ、バリが出ないこと。通常、バリ取りは手作業ですが、バリが出なければその工程が不要になるため、スピードアップとコスト削減が図れます。また、人間が手で触ることがないため衛生的で、医療分野にも向いています。こんなバリレスのメリットに着目して、国内外の名だたるメーカーがピーアールシーに相談にくるそうです。

「国内大手自動車メーカーや世界的な通信機器メーカーとも共同開発を行っています。製品をつくるとき、メーカーは常に『理想的』なパーツの形を描きます。私たちはそれをもとに、必要な機能を満足させつつも、加工性が良い『金型で量産可能な形』を提案します。お互いが意見を持ち寄り議論を交わし、形を決めていくのです。おかげさまで『こういう仕事ができるのは日本ではピーアールシーだけ』と言われるまでになりました」。

電気自動車の開発には10年も前から携わっています。最先端のテクノロジーを用いた共同開発の依頼は途切れることがありません。伊藤社長が一人で立ち上げたピーアールシーは、世界を相手に時代の最先端を走る企業になりました。

今、皆さんの手の平にあるスマホも、ピーアールシーの技術が使われているかもしれません。

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IPPO君の独り言

静かな語り口でバリレス金型への熱いパッションを語ってくださった伊藤社長。テーマごとに次々とサンプル品を並べ、バリレスのもつ意味を教えてくださいました。バリは本来必要がないもの。けれどできてしまうもの。その分、材料はムダになり、バリを取るために余分な工程が必要になる。バリレスが可能なら、理論的にそれが一番。独自の技術を追求し続け、困難なことを可能にした伊藤社長のチャレンジは、これからも続きます。

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