にいがた就職応援団ナビ2019

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品質と温もりにこだわる食品メーカー
学びのメソッドで人材育成にも注力

昭和25年、製餡(あん)所として創業した宮野食品工業所。以来、煮豆や惣菜、和菓子と商品を拡充し、新発田市から全国に発信する加工食品メーカーとして認知されてきた。おいしさと健康に配慮した食品づくりをテーマに、手間を惜しまず品質にこだわるのが同社流。培ってきた製造・加工技術を生かしながら、時代に寄り添う商品を提案し続けている。また「ものづくりは人づくりから」と、独自のスタイルで人材育成に注力しているのも特徴だ。

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食品メーカー

COMPANY PROFILE

株式会社宮野食品工業所

〒957-0006新潟県新発田市中田町3丁目1297番地1
TEL/0254-22-3322URL/http://www.miyano-mame.jp/

事業内容/豆製品をはじめ、中華惣菜、和菓子等を製造する老舗食品メーカー

設立/1963年資本金/1200万円従業員数/72名(2017年11月現在)

おふくろの味を原点とした誠実なものづくり
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始まりは北海道産の小豆を使った餡の製造。かつて城下町として栄えた新発田市には、その名残か多くの和菓子店があった。そこにおいしい餡を提供したいと願ったのが宮野食品工業所創業のきっかけである。

その後、同社は着々と成長する。餡だけにこだわらない商品展開を目指した2代目が、同じ新発田市発祥のウオロク創業者の意を受けて昆布豆を開発し、大ヒットした。また、大手乳製品メーカーへの豆の蜜漬け納入を機に、大量生産に対応する技術と設備を確立した。それら転機を迎えるごとに事業は大きく進化し、多様なノウハウを蓄積していった同社。現在の場所に移転してからは、敷地内に直営の小売店を設け、「新発田市民のソウルフード」との呼び声も高い大福や甘納豆などを直売している。

同社の企業理念には、「ものづくりは母親が生まれたばかりの赤ん坊を育てるような気持ちで」とのフレーズがある。そこに込められているのは、損得だけで物事を測らない食品製造への誠実な態度だ。「笹団子をつくるなら宮野さんのあんこと言ってくれる昔ながらのお客様や、当社の煮豆が一番と言ってくれる方たちのために、まずはおいしいものをつくるという当たり前のことにこだわりたい。そして食の原点とも言えるおふくろの味を目指し、手間を惜しまず真心を込めた商品を提供していきたいですね」と宮野社長。その「愛情をひとつまみ」の隠し味を大切にした食品づくりこそ、今後も守り続けたい日本の食文化に欠かせないもの、と同社は考える。

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「しお豆」の爆発的ヒットが大きな転機に
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ものづくりの根幹にあるのは、豆へのこだわりだ。「数千年前の遺跡から発掘された豆を植えたら芽が出たとの例があるほど、強い生命力を持ち、栄養価も高い。それを使ってお客様の健康をつくるのが私たちの仕事だと考えています」と宮野社長。黒豆は時間をかけて炊き、ゆっくりと蜜を含ませる。たとえ歩留まりが悪くても小豆は皮まで挽かず、滑らかでクリーミーな餡を極める。素材のパワーを余すところなく生かしながら、あくまでおいしさにこだわる姿勢こそ信条だ。

同社最大の転機をつくった商品がある。えんどう豆をふっくらと炊き、自然なうま味を引き出した「しお豆」である。これが爆発的にヒットし、年間400万個を売り上げる看板商品に。商圏を全国へ広げるきっかけとなった。「豆には土壌菌が含まれているため『レトルト』等、製品にとって過酷な殺菌工程を経なければ、殺菌できません。でもレトルトパックにすると味が落ちてしまう。さらに形を崩さず炊き上げるにも相当な工夫が必要です。つまり、加工が難しく日持ちしないことが大きな参入障壁。それらをクリアした当社のしお豆は、培ってきた技術とノウハウの集大成です」と宮野社長は強調する。

また最近では、食べる人の健康に配慮した商品もラインアップ。砂糖不使用の「しお豆大幅」を地元の大学と共同開発し、病院などで販売している。1個当たりのエネルギーは一般的な大福の約7割に当たる、わずか80kcal。持病により砂糖を控えたい人や、ダイエット中の人でも安心して食べられる付加価値の高い商品として、今後は海外への展開も視野に入れている。

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社員の幸せにつながる「人づくり」への取り組み
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「今は、かつてのようにつくった分だけ売れる時代ではありません。大切なのは、お客様のニーズをはじめとする様々な情報をいかにくみ取るか。どんなに便利な世の中になっても、それができるのはAIじゃなくて人です」。誰もが安心できる食品をつくりたい、大切な人においしいものを食べさせたいなど、人のためになりたいという熱い思いが新たな価値をつくり出し、ひいては経済を活性化させるというのが宮野社長の考え方だ。

「ものづくりは人づくりから」が同社の確信である。そのため、人間力を高めるための学びの場を定期的に設けている。例えば、「仕事の結果=考え方×熱意×能力」との考え方に基づいた「宮野フィロソフィー」を全社で共有し、毎朝唱和することで前向きな思考とチームワークの大切さを説く。また月に一度、一つの題材をもとに書いた感想文を持ち寄り、ディスカッションしながら物事の本質に迫る勉強会も。それは自分自身を見つめ直す機会であると同時に、ともに働く仲間の考えや魅力を知る有意義な時間でもあるようだ。「大切にしているのは、社員の幸せを考えること。物心両面の幸福を追求する機会を提供する。それが会社のあるべき姿です」。

現在取り組んでいるのは、地元農家を支えるものづくりだ。近くで採れたさつまいもや黒豆を使った商品を提案し、その魅力を広く発信する。城下町の恩恵を受け、新発田の人々に育まれて発展した同社は今、携えた技術とノウハウで豊かな地域の創生に貢献している。

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