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理系必見!技術で輝く企業

THK新潟

直動システムのパイオニアとして知られるTHK(株)のグループ企業として、さまざまな機械の直動運動部に用いられる「ボールスプライン」を専門に開発、生産しているのがTHK新潟(株)です。阿賀野市郊外の豊かな自然環境の中に広い工場を有し、ボールスプラインを始めとした製品を国内外に向けて供給しています。同社のボールスプラインは工作機械や産業用ロボット、半導体製造装置など、さまざまな分野に使用されており、幅広いニーズに応える高い技術力には定評があります。世界に通用する製品を生み出す同社の技術、中でも設計について詳しく紹介します。

基本データ

設立/1988年 資本金/1億円(2009年3月)
本社所在地/新潟県阿賀野市保田字中山5836
連絡先/0250-68-3482 社員数/212名(2009年3月現在)
売上高/31億1000万円(2009年3月期実績)

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産業の発展に貢献する高性能な基幹部品を生産

直線運動のころがり化──歴史の教科書などで、巨大な石を運ぶのに、下にころを並べ、ころがしながら運ぶ絵を見たことはないでしょうか。運動時に発生する摩擦抵抗をころによって低くし、動かす力を小さくできるわけです。機械の動きは回転運動と直線運動、そしてその組み合わせで成り立っています。回転運動のころがり化は、早くからベアリングによって実現していましたが、より多くのメリットがある直線運動のころがり化は、技術的な難しさもあって実現していませんでした。

工作機械のテーブルなどをスムーズに動かす道具として、以前は丸軸に対して案内装置がボールによって運動を行う「リニアブッシュ」と呼ばれるタイプが一般に使われていましたが、これは丸軸とボールが点で接触しているため、許容荷重が小さく、また剛性を出すために予圧をかけると重くなって動かなくなるという欠点がありました。この欠点を解決したのが、「ボールスプライン」です。

THK(株)の前身・東邦精工の創業メンバーによって開発されたボールスプラインは、丸軸とボールの関係を点から「面」に変えるという、独創的な発想と高度な技術によって生まれました。スプラインナットと呼ばれる金属の筒の内側にボールを楕円軌道に循環させ、精密研削された丸軸の軌道溝をボールがころがり運動することで、直線運動しながらトルクも伝え、さらに部品自体の剛性、耐久性も高めたのです。

ボールスプラインは、半導体を基板に実装するマウンターと呼ばれる機械の先端部分や、産業用ロボットのハンド部分、タイヤの成型機など、さまざまなものに利用されています。

ボールスプライン生産の専門工場

THK新潟(株)は、THKグループの中ではボールスプラインの専門工場として位置づけられ、オーダーメイドという形で開発・設計、金属切削、成型、研磨までを社内一貫体制で生産しています。

「他社が作れないものを作っているという自負があります。世界に通用するものを作るのは、やりがいもあります」と、製造推進部製品技術課設計グループの渡辺純さん、武田卓弥さんは胸を張ります。

同社の設計グループは、お客様の要求に合わせたオーダーメイドのボールスプラインを設計するという、重要な業務を担う部署です。ボールスプライン自体の機構が変わることはありませんが、各企業の用途によって大きさや形状が変わってくることから、オーダーを受けてから設計され、場合によっては設計がお客様のもとに伺い、綿密な打ち合わせを行ってから設計に取りかかります。仕様内容が図面で送られてくる場合は、これらを理解し、設計図面に描き起こしていきます。

「お客様から、『こんなものが欲しい』という図面をいただくのですが、そこから要求するものを読み取る力がだんだん付いてきます。それをもとに私たちで設計図を描き起こしていきますが、設計する時に気を遣うのは精度と形状ですね。複雑な形状の場合は、確認事項も多く、加工が困難な部分もあります。また、誰が見ても同じ内容として理解できるような図面にしなければならないところが、設計の大変なところです」と、渡辺さん、武田さん。話の内容からも充実感が伝わってきます。

難しいほど図面を描き上げたときの達成感は大きい

製造推進部製品技術課設計G▲
渡辺純さん(右) 武田卓弥さん(左)

製造に関しても同社は高い技術を持っており、ミクロン単位の精度要求にも正確に応じます。とはいえ、設計の段階で間違ってしまっては、もちろん製品にはなりません。モノづくりの要であり、さまざまな知識も必要となるのが設計です。「いろいろな知識を得られるのが、設計のおもしろさでもあります。おそらく、どの部署よりも製品に対する知識はあると思いますよ」。

図面上は正しくても、製造現場で不具合が生じることもあります。製造可能かどうかを考えながら設計すると同時に、毎日、製造現場に足を運んで打ち合わせを綿密に重ねます。設計という仕事は、パソコンに向かって図面を描くだけではありません。コミュニケーション力も大切な要素となります。

「図面を描き上げた時は、達成感があります。難しい図面を仕上げた時などは、特に感じますね。難しいことに挑戦している時は、確かに大変なのですが、それ以上に楽しいです。技術者とは、みんなそうではないでしょうか」。設計に関わる人なら誰もが味わうことですが、自分が設計したものがカタチになって製品として使われたときは、また違った喜びがあり、それがやりがいにもなっています。

平均年齢が若く、活気がある同社。若い人の意見を聞き入れてくれる社風は、やる気がある人には成長の場になるに違いありません。「もっと知識を増やしたい」と話す渡辺さん、武田さんですが、こうした向上心が技術の高さを支えていると言っていいでしょう。

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